明石です

ブレードランナー ファイナル・カットの明石ですのレビュー・感想・評価

5.0
こんなに美しい映画だったなんて、、大昔に初めて観たのが劇場公開のオリジナル版だったのですが、あらためて腰を据え鑑賞したこのDC版の画面の綺麗さには目を疑った。色調からカメラワークから、何から何まで芸術だなあと思う。この映画の世界に住みたいなと思わせるほど豊かな映画体験。というか、この作品には映画の全てが詰まってるのではと思わせるほど。

劇中のレプリカント診断テスト、サイコパス診断みたいで笑う。レプリカントは製造して時間が経つと感情を持ち始めるからという理由で、4年で壊れるよう設定してあるナントカ社の人でなしっぷりもなかなかにサイコではあるけど。ただそれだけに、主人公が、レプリカントのヒロインと愛を交わすシーンの儚い美しさには胸が詰まる思いでした。こんな全てが満たされているのにずっと悲しいラブシーンあるかいね。

やはりなんだんだで、この映画がリドリー·スコットのベストだと思う。原作も読んだけど、ここまで胸の詰まる美しい作品としては迫ってこなかった。映画って凄いね。死を悟った最後の瞬間のロイの台詞「私たちは、お前ら人間には信じられないものを見てきた。オリオン座の近くで燃えた宇宙船や、タンホイザー·ゲートのオーロラ。そうした思い出も、時が来れば、雨の中の涙のように儚く消える」。人間に紛れて生きる彼ら自身が雨の中の涙ということか。痺れたぜ、、

—好きな台詞
“I’m not in the business. I am the business.”「私は仕事中じゃない。仕事される(殺される)側なの」

“Quite an experience living in fears. That’s what it is to be a slave.”「恐怖の連続だろう。それが奴隷の一生だ」
明石です

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