masahitotenma

自由を我等に 4K デジタル・リマスター版のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

3.3
刑務所で囚人仲間だったふたりの男が、社会に出ても友情を保ちつつ自由気ままに生きる姿を描いた、ルネ・クレール監督作品。
ヴェネツィア映画祭作品賞受賞。
原題:À nous la liberté (1931)

刑務所仲間のルイ(レイモン・コルディ)とエミール(アンリ・マルシャン)は脱獄を図るが、見つかってエミールはルイだけを逃がしてやる。
ルイはレコードを売る露天商から蓄音機会社の社長になり、大金持ちに。
やがて刑期を終えたエミールは、街で見かけたジャンヌ(ローラ・フランス)に一目ぼれし、彼女を追って、ルイの経営する工場にやってくる。
2人は再会するが…。

「労働は義務である。なぜなら労働は"自由"だからだ」

ルイの妻は男を作って出ていき(妻にうんざりしていたルイはそれを喜ぶ)、エミールの恋も片想いに終わり、女のいない男同士の友情は永遠で自由だとされている。
男二人がウィンクし合うところは少し気持ち悪くドタバタも今となっては古めかしく感じられたが、私だけかな?
機械化・大量生産時代への風刺を込めた作風は、チャップリンの「モダンタイムス」にも影響を与え、ベルトコンベアの流れ作業とそれから起こるドタバタ、ラストの構図などがこの作品と似ているとして、トビス社はチャップリンを告訴したが、「私のアイデアが偉大なる映画人であるチャップリンに使用されることは誠に光栄であります」とルネ・クレールが声明を出したことによりチャップリンが勝訴したとのこと。
この映画では、ルイが完成させた新工場で全てがオートメーション化され、機械が全てやってくれるので、労働者は働かなくてもよくなると将来が楽観的に描かれている。
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