Keigo

自由を我等に 4K デジタル・リマスター版のKeigoのレビュー・感想・評価

3.3
フランスの巨匠ルネ・クレール作品はこれがお初。

機械化が進み急速に近代化する大量生産の時代を皮肉るコメディといえば、チャップリン御大の『モダン・タイムス』だと思っていたし観ている間も似てるな〜と思っていたが、今作の方が先なのね!どうやら『モダン・タイムス』に影響を与えたということらしい。

無駄がなくサクサク進むテンポ感、ライン作業でのドタバタとか、終盤チンピラやら警察やらが鉢合わせる逃走シーンとか、とにかく魅力的な運動に溢れている。説明も台詞ではなくあくまで映像によってなされていて、映画的表現である!ということなのかもしれないけど…

なんだろう、肝心のお話しの部分にいまいち乗れなかったな。展開としてちょっと無理があるというか、強引だと感じてしまうところが多かった。いくらなんでも室内にあんなに強い風吹くかね?みたいになってしまった。

台詞はあるからトーキーなんだけどサイレント映画かのように撮られているシーンがとても多くて、その混ざり具合が醸し出していた独特の空気感が印象的な作品だった。

4Kリマスターの映像はとても綺麗で、だからこそ時代の雰囲気をあまり感じ無かったわけだけど、それが逆に良くなかったのか?ハードルを上げてしまったのか?と思ったりも。
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