このレビューはネタバレを含みます
カルージュ、ル・グリ、ピエール
まさに最低三銃士と呼ぶに相応しい男たち
なにもかも、自分に都合の良いように解釈して、自身はまるで欠点が無いかのように感じている様が、視点が切り替わる度に露わになっていく。
王も裁判中へらへらニヤニヤしている様に、傍観者の男性は結局そうだよな…と思った。王妃がだんだん恐怖心に張り詰めていく姿、耐えきれず王の手を取るが、王は「なに?」くらいの表情。
“レイプ”に対しての男性と女性の受け取り方の差をはっきり描いていたな、と。
かといって、全ての女性がああでもなく、義母や友人のリアクションも事実。
何百年も前の時代から、現代も変わらない
変えなければならない
思うこと、感じることがあまりにもあった。
男性がこの作品を観てどう感じるのか、とても知りたい。
この作品をミステリーと呼んでいいのか?という点が少々引っかかる。
◯以下メモ◯
“至高へ行かなければ妊娠はしない”
→そりゃ男はそうだわな
医者や科学者は男性ばかりの時代。男性視点からしか見ていないのだから、この見解も当たり前か…と、思った。
裁判のセカンドレイプのシーンはまるで日本の国会中継のようだったな。
“嫌がっているふりをしていたが、合意だった”
→まさにレイプ加害者の思考
ル・グリから逃げるマルグリッドの靴が脱げ落ちる描写が、ル・グリ視点だとわざわざ自分で脱いで置いて行っているように感じていたと気がついた時、本当に気持ち悪いなと思った。
牝馬に雄馬が襲いかかるシーンの生々しさがあまりに生々しく、恐ろしかった。
雄馬が黒い馬だったのは、その後のル・グリの姿を重ねるためかなと思った。