評価が高かったので観賞。
リドリー・スコット監督に、マット・デイモン、ベン・アフレック、アダム・ドライバーなど、錚々たるメンバーで制作されている本作。これでハズレだったらどうしようかと不安でしたが、杞憂に終わりました。文句のない、素晴らしい作品でした。
主要人物三人の視点から見た「真実」に、それぞれのエゴが重なった表現を、役者陣が見事に演じきっていました。
全体のなかで特に印象的だったのが、ジャン視点から見たル・グリが、それほど嫌な人物として捉えられなかったことです。これは、役者の演技が悪かったわけではなく(むしろ良くて)、ジャンにとっては、彼は本当に心から信頼できる友人だった、ということなのでしょう。
また、妻であるマルグリットも、優しくて奥ゆかしいパートナーとして映っていたことから、実は、ジャンが一番まっすぐで心の優しい人物なのではないか、と自分には受けとれました。
最後に語られた「真実」こそが本当のこと、かのようにも受けとれますが、実際には、わかりませんよね。誰の肩を持つかは、観客それぞれの視点次第。
「真実」はいつも、藪の中。