カレン

最後の決闘裁判のカレンのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.6
人妻が凌辱されたと自ら告白して、あげく神の裁きに委ねるべく決闘裁判にまで発展してしまった事件。

14世紀、正に「暗黒の中世」といわれた時代の出来事。

そのような時の男と女との思いの違いは、現在と少しも変わっていないということに愕然とする。
まさに21世紀に映画化したことに意味がある。

夫が妻の身を案ずるより家名や自分の名誉を優先することにも憤りを覚えるが、まあそれはその時代の考えかも知れないから一歩譲る。

男(ル·グリ)ーあれは恋愛だった。相手も喜んでいた。(女が抵抗するのもジェスチャーだ)

女(マルグリット)ー私は必死に抵抗した。男の力には抗えない。

この男と女の感じかたの違いを微妙に映像を繰り返すことによって表現していたことはさすがで、この作品の見所だと思う。

そして
夫(カルージュ)ー夫の持ち物である財産(妻)が傷つけられた。訴えてやる。
当時、女は物扱い!

裁判も迷信のオンパレード。
当時の人々が本気で信じていたのかものすごく不思議。

これは史実を元にしているが
マルグリットが思ったこと、語ったことは実際の記録には全く書かれてはいないらしい。
しかし当時の女性の殆どが泣き寝入りが当たり前の時代、決闘裁判にまで発展したということは何かしらのリアクションは起こしたはず。
それならばその勇気は並大抵ではない。

もしかしたら男と女、本当に強いのは女なのかも知れない。
カレン

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