このレビューはネタバレを含みます
14世紀フランスの決闘裁判を描いた巨匠リドリー・スコット監督の実話ベースの作品。
暗く重苦しい色合いや凝った衣装、ディテールはさすがリドリー・スコット。
事実はどうあれ、神の意志なので決闘で勝った方が正義。敗けたら奥方も死刑とか、奥方は裁判の場で何をされたか事細かく傍聴者の前で話さなきゃならないとか、どう考えても当時のフランスの裁判制度めちゃくちゃ不条理だろ。
従騎士のジャック・ル・グリ、敗けた途端に裸で逆さ吊りとか、性行為は絶頂に達しないと子供出来ないとか、当時の風習や倫理観、めちゃくちゃ。
まあ、現代日本も裏金で私腹肥やしても事務方のせいにすればOKなので、大差ないか。
今作は1つの事実に対して三者三様の見方があるという所謂「羅生門効果」がテーマになっていて、ジャック・ル・グリが悪、カルージュとマルグリットが被害者というふう見えるが、ル・グリの中でも悪事ではなく正しいと思っている。
ジャン・ド・カルージュ役のマット・デイモン、ジャック・ル・グリ役のアダム・ドライバー共になかなかの熱演だが、
カルージュの奥方マルグリット役のジョディ・カマーの演技が凄い。
クズな領主ピエール2世役はベン・アフレックだったのか!気付かなかった。
ラスト、マグリットの息子は金髪なのでカルージュとの間に出来た子って事で良いんだよな。
それなら良かった。
しかし「最後の」ってどういう事?これが歴史上最後の決闘裁判だったのか?