mao

最後の決闘裁判のmaoのネタバレレビュー・内容・結末

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

もう見たいとは思わないが忘れられない作品。

中世の空気というんでしょうか、人間の生命力と野蛮さの混沌とした濃厚な空気感がいっぱいです。
(わたしはもうお腹いっぱいです)

ジャン・ド・カルージュ、ル・グリ、マルグリットそれぞれの「真実」が章立てされて語られる形式になっています。

私が女性だからというのも関係してるかもしれませんが、前二人はまあなんと自分に都合よく世の中を見ていること、と。

私も例外でなく現代もそういう人は多いでしょう。
ただこの時代、女性は所有物なので本当の意味で配慮されることのほうが珍しいですよね。

ジャンが勝利しマルグリットと抱き合う場面は、特にマルグリットが何を感じているのかを考えていたんですが、まずは安堵と、正直生きた心地なんてしなかっただろうし、ハグしたのは勝利した夫を立てるためだったり、沸き立つ民衆が望むものを見せようと思ったのかもしれないなんて、思ったり。

パレードで、拳を振り上げる夫の後ろを張り詰めたような呆然としたような顔でついて行くマルグリットは、やっぱり夫の従属物に見えますよね。

少し話を戻して決闘の場面は接戦の接戦で、やはりジャンを応援してしまうのですが正直、お前が自分でやるって言ったからには絶対に勝てよと、最悪は相打ちでも絶対にやるんだぞと、呪うような気持ちで見守ってしまいました。
mao

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