ハセベコユキ

最後の決闘裁判のハセベコユキのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
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スターウォーズ観た後、もっとアダムドライバー見たくなって選んだけど、完全にチョイスミスでした。やっぱパターソンしか勝たん…。

ただ内容は、すごく良かった。(でも辛いときには見ないで)裁判そのものというか、争いごと揉め事に正か悪かを判断しなければいけない時に往々に起こり得るお話し。
3者に話を聞けば、3様の答えがあり、どれも偽りではないこともある。1つの事実に対してその人自身の目を通して見ることによって切り取り方が違うと訴えが変わってくるから。

無自覚や無意識でやったことが相手にとっては意味合いが変わってくることだったりもするし。マルグリット夫人から夫への告発した後のシーンがこれだと思う。夫視点では感情的に激昂したシーンはなかったし妻の尊厳のために闘う決意をしたようにも見えるけど、夫人目線だと首まで絞められたうえに「“俺が”嫌な思いをした」と吐き捨てられる。あとルグリが夫人宅に押し入る際も鍵を閉めたの夫人の描写にはあったけど、ルグリの描写ではなかった。

現実は、これに嘘が入ってくるんだから、誰にも真実はわからないよな。

本質を見極める際、色々な角度から事実を見ていくことが大切ということだけでなく、モラハラや、性行為の合意、被害者への2次加害、同調圧力など、複合的に毎日の生活で直面する困難が詰め込まれた映画だった。