ゲイリー冨久津

カード・カウンターのゲイリー冨久津のレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
4.0
「タクシードライバー」の脚本家ポール・シュレイダーが監督・脚本、マーティン・スコセッシが製作総指揮を手がけ、孤独なギャンブラーの復讐と贖罪の行方を描いたスリラー。

元上等兵ウィリアム・テルはアブグレイブ捕虜収容所における特殊作戦で罪を犯して投獄され、出所後はギャンブラーとして生計を立てている。罪の意識にさいなまれ続けてきた彼は、ついに自らの過去と向きあうことを決意するが……。オスカー・アイザックが主演を務め、徐々に追い詰められ復讐へと駆り立てられていくミステリアスな男ウィリアムを演じる。

ギャンブルブローカー役で「アンクル・ドリュー」のティファニー・ハディッシュ、ウィリアムと擬似父子のような関係を築く青年役で「レディ・プレイヤー1」のタイ・シェリダン、物語の鍵を握るウィリアムの元上司役でウィレム・デフォーが出演。2021年・第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

明度の低い映像と不穏な音楽とオスカーアイザックの眼が緊迫感を出す。

ウィレムデフォーは短い出演ながら圧倒的な存在感。

重苦しい雰囲気の中、たびたび現れるUSA軍団は一服の清涼剤。

主人公は自身の贖罪の人生から青年の絶望を希望ある人生に変えることで赦しを求めたのか?
もしくは青年は被害者であり、償うべき存在だったのか?

ラストの主人公の選択も自分自身の贖罪を青年の未来に託し赦されようとした自分の罪への現れか?

考えさせられる映画でしたが、イルミネーションデートシーンは無くてよかったのでは?
ゲイリー冨久津

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