カード・カウンターのツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

カードギャンブルものよりもやはり陰鬱な人間性を除くテイストになるポールシュレイダー脚本。
正直個人的にポール・シュレイダーが監督した作品は見ていなく、"タクシードライバー"などスコセッシの脚本家としてのイメージが強いシュレイダー。まあ制作総指揮がスコセッシだしなんとなく観に行ってみた。
まずオープニング、キレイなギャンブル卓のグリーンを思わせるタイトルバックが美しい、そして主人公オスカーアイザックのモノローグでじっくり話が展開されていく。
まあ本作は過去に闇を抱えたオスカーアイザックが自らの道を探していく物語に見えた、次第に明かされていく凄惨な過去と付随した謎行動、淡々と進んでいくカードギャンブルなどは飾りで誠に見えるのは彼の人間性とやるせなさみたいなテイストあり。またがっつりカードギャンブルものかと思ったら全然ゲーム過程を見せなくて結果だけな見せ方はシュレイダーが脚本を担当した"レイジングブル"にも通づると感じた。やはりポールシュレイダーはリアルな人間の業に抗えないキャラクターを描きたい人なのかなとも思える。
しかしラストにかけてのとんでも展開はあれど、全体的なカタルシスはなんか低いなーと感じる。"タクシードライバー"や"レイジングブル"を期待しちゃダメなんだがやはりポールシュレイダーならそこら辺の切れ味がもっと欲しいかなと感じてしまう。でも過去回想の湾曲したレンズ撮影やラストの"ファーストマン"っぽいビジュアルなど映像的には良い所が点在してたのは確かかなー。