"誰かに許されることと自分を許すことは同じ意味である"
天才ギャンブラーの話かと思いきや、復讐と贖罪を題材とした硬派な作品でした。「はいはい、ギャンブルで成り上がる話ね」と思って観ると出鼻をくじかれる。
監督は『タクシードライバー』などの脚本を手掛けた、スコセッシの盟友ポール・シュレイダー。
ナレーションの粋な台詞がかなり好き。「俺がムショ暮らしに向いてるとは意外だった」から始まり、ラストにも挿入される台詞。心を掴まれた。
撮影方法も巧み。特に捕虜収容所内の回想シーンは圧巻。360℃カメラで撮ってるかのような奇妙で不気味なショットでした。
オスカー・アイザック演じる偏執的なギャンブラーの狂気じみた行動にも注目。モーテルに着いていきなり絵画を外し家具を白布で覆い始める。これから◯人でもするんか?とハラハラした。BGMも含めて最後まで不気味。
玄人好みの映画ですわ。