菫

LAMB/ラムの菫のレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.0
昨日は猫映画を観たので、今日は羊🐑
子供を亡くした羊飼いの若夫婦、イングヴァルとマリア。ある日、二人が雌羊の出産に立ち会うと、「異形のもの」がうまれる。「アダ」と名付けられたその存在は、夫婦から一身に愛情を注がれるが、夫の弟の出現をきっかけに、ささやかで幸せな日常は次第に翳りを帯びる。
不気味なまでの静寂。暗鬱な曇り空。まるで美しくて残酷な神話を読んでいるかのよう。ラストシーンが意味するものは何か、私は今も反芻している。
エンディングで流れるヘンデルのサラバンドが印象的だった。というのも、蜷川幸雄が演出を務め、平幹二朗が主演した舞台「王女メディア」においてもこの曲が使われるためだ。「王女メディア」は、ざっくり言うと嫉妬に取り憑かれた女が子供を殺す物語だが、〈母性〉と〈狂気〉という点において、この2つの作品には通じるものがある。
アダちゃんが終始かわいかった。グッズほしい。
菫