ひろるーく

LAMB/ラムのひろるーくのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
4.0
アイスランドの美しい自然の中(何もないが)で暮らす夫婦。
羊飼いを生業とする夫婦マリアとイングヴァルには子どもはいない。
馬が騒ぐ。犬が怯える。そして一匹の羊が子を産んだ。

その子は、一体なんだ。
アダと名付けられたその子の登場で、一気に映画が動き出す。

第1章、第2章、第3章と章立てされたプロットで描かれる。
第1章は、その子アダの正体を見せるまで。
第2章は、いつまでも鳴いてうるさいその子アダを産んだ母親羊をマリアが殺す。そしてイングヴァルの弟ペートゥルが家にやってくる。アダがペートゥルになつく、まで。
第3章は、なぜアダと名付けられ、大切にその子を育てているかが描かれ、ペートゥルはこの家を追われる。そして結末へ。

賛否両論がかなりはっきりした映画だと聞いていました。
その子の「得体」の解釈によって評価が分かれる作品なんでしょうね。

もしかしたら、寓話があってそれがモチーフになっているのかもしれません。マリアという名前。イングヴァルという名前など。
でも、それを知らずに観たとしても僕は十分に楽しめました。

いわゆる「得体」のオチに関しては、僕はどうでもよかった。
ゆっくり流れる時間と、時折起こる大きな波。その緩急でマリアの心象を上手く描いていると思います。

もちろん村上春樹的な(あくまで表層ですが笑)解釈を言いたくなる気持ちもわかりますが、まあそこはまあそんなでもないかな、と。

面白い映画です。
でも万人受けするとは限りませんので、紹介はほどほどにします。

僕は十分に楽しめました。もう一度でも観れます。
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