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LAMB/ラムのsoumaのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.2
『あれはなんなんだ?』

羊ってなにかの象徴だっけと思いながら視聴。

いかにも聖書をモチーフにした作品をにおわせてるのに
キリスト教ではなくて
ギリシャ神話がモチーフの作品だったという
圧倒的ミスリードがラストで明かされるのは
うまいなと思った。

アダをギリギリまでみせないで
アダの姿が画面に映されたとき
まさに夫の弟君の
あの何とも言えない感情と表情が
完全に視聴者とシンクロさせるような
あの瞬間の演出は素晴らしい。

「夫の弟君」の登場は変な感じはしたけど
「夫の弟君の視点」=「視聴者の視点」という
第三者的な視点を入れることによる共感演出だったんだと
後から納得。
その後、弟君がアダと仲良くなっていくのも
情が移れば、視聴者の方もこうなるよね?というのも
わかる人にはわかるのかなと。


作品のいたるところに
工夫した演出を感じることができて
「演出」という点では
かなり優秀な作品だったと思う。
しかし、
それが「面白い」になっているかといえば
それは別の話。

終始面白くなりそうな雰囲気だったのに
終盤まで結局なにもおきず
ラストのオチも
なんともいえない
あまりにも唐突な演出に
おそらくすべての視聴者が
戸惑いの渦に突き落とされたことでしょう。

なんとも惜しい作品だったかと。

※ラストにネタばれMEMOがあるので
読みたくない人はここまでにしてください。



















◆ネタばれMEMO
羊の半獣半獣の精霊:サテュロス

個人的に
ラストは銃よりも
普通に腕力で殴り殺すか
鉈とか鈍器みたいな方がよかったなーと思った。
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