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LAMB/ラムのca324のレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.0
マリアという名前の女性とその夫(大工ではないけれど鉋をかけたりするヨセフのメタファーはある)の元に訪れた子供という点でイエス・キリストを思い起こさせたり、異形の子が産み落とされるホラーという点で「ローズマリーの赤ちゃん」を思い起こさせたりもするのだけれど、多分監督の意図するところではないにしても日本人的には「竹取物語」を彷彿とさせる話だなと感じました。
「竹取物語」でも高畑勲監督版の「かぐや姫の物語」でもかぐや姫、次いで翁という感じで母親である嫗視点や心理描写はメインで描かれてることはなかったと思うのですが、もしあったとしたらこういう展開もありえたのかもしれない。
台詞が少なく静かな描写で展開させるやり方は嫌いではなく、子は鎹ではないけれど、アダちゃんが現れてからの夫婦関係や家の中の変化の描き方も上手いなと思うのですが、
個人的には行き過ぎた母性は怖いよね的な考え方というか、母性が女性なら自然と湧き出るものという感じで描かれているのに妊娠、出産、母の愛情を、理解の及ばない、ホラーの題材にすることはなんとも都合がいいなぁと思ってしまうので、不愉快とはいかないけれどこの映画が好きでまた観たいとはならないかなと思います。
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