ファンタジーと割り切り、その不条理ぶりを楽しめるとハマる作品。
ただ、結局何が言いたいの?と言う気持ちは残るし、いくらファンタジーとしても、獣人の設定がまったく明かされないので、その行動自体に説得力がない。
それに夫婦とその弟のアダに対するリアクションが、あまりに現実離れしていて、これも物語に入り込めない一因。
結果、全体の雰囲気だけを味わってくださいという、かなり乱暴な映画になってしまっているのは事実だろう。
「不条理」「神話」などの単語で説明不足を誤魔化そうとしているようにも見えてしまうのはマイナス。
リアリティを放棄してファンタジーとするのなら、せめてストーリーは納得のいく物にしてほしかった。
それかもっとぶっ飛んだ「不条理」にして、夢の中のような浮遊感が出れば良かったのだが、中途半端と言えるだろう。
全体の雰囲気だけに注目して、流して観ると楽しめる作品。
余談。
大きなお世話だとは思うのだが、獣人の生態ってどうなっているのか想像してみた。
家畜の羊さんとおやりになって子供を作ったって事は、雌の獣人はいないんだろうな。
銃を使えた所を見ると、知能は猿以上。それにアダちゃんは人語を理解していたから人に限りなく近いようだ。でもその頭蓋骨じゃどう見ても猿以下なんだけどなぁ・・・
メスは家畜で良いようだが、遺伝子的にオスは数百頭いないと種族を維持できない。男だけの群れがどこかにいるんだろう。
などと、つまらないことを想像してみるとちょっと楽しい。笑