リリィ

LAMB/ラムのリリィのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
4.0
これはひさびさの当たりだ。。不穏な音楽とロウなテンションがずーっと続く。霧がかった静謐な景色がとにかく素晴らしい。湿った空気感が伝わってくる。行ってみたいけど洗濯物乾かないんだろうな。ロケーションいい。
見てはいけないものを見てしまったような、触れてはいけない感情を露わにされたような、おぞましさとか、気持ち悪いと口にしてはいけないような、またそんな感情が心地よく感じてしまうことに背徳感を覚えてしまうような、、、感情を静かに確実に剥がされる。映画だからこそできる表現かと。身体をちゃんと見せない、リドリーのエイリアン手法がたまらない。イレイザーヘッドを観た時のことを思い出した。あの感じにちょっと近いかも。
羊頭半獣はバフォメット、邪悪の象徴で西洋文化圏ではタブーなのかね。日本人には馴染みがないから、育てるって選択肢がわりと受け入れやすい。右手が蹄のままなのも何かのメタファーか。
か弱い罪深い人間から悪魔の親分的なキャラまで、羊イメージの振り幅もすごいと改めて認識。
この監督もっと観たい。
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