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LAMB/ラムのqqfowlのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.4
羊飼い夫婦が飼育する羊の一頭がクリスマスの晩何者かに襲われ、異形の子が生まれる。夫婦はその子にアダと名付けて…

どんなバケモノなのかと思ったら案外可愛かった。アダの魔性の魅力にやられた人間たちが、どうなってしまうのか…というハラハラ感がよかったが、最終的にはいろんな問題が中途半端なまま急に終わってしまったようで少し残念だった。


~ネタバレ~


夫婦は以前娘を亡くしていて、そのことを悔やんでいたこともあって、羊人間のアダをかわいがり、妻マリアは、母親羊がアダにつきまとうので殺してしまう。それを見ていた夫の弟ペートゥルに関係を迫られるが断り、居候状態だったペートゥルを家から追い出す。ところがちょうどその頃夫はアダと同族のマッチョ羊男に殺されアダを奪われていた。おしまい


羊を殺した妻マリアじゃなく夫が殺されるのは解せない。実は夫が羊を妊娠させた張本人でその復讐という説もあったけど、それならそれで復讐が遅いし、妻を見逃す理由にならないし。謎endだった。


あまり関係ないと思うんだけどせっかくだからちょっと調べてみたら、「ゆりかごに入った羊」というモチーフは、ヨーロッパ各地の民話に入っていて、中世ヨーロッパの神秘劇の第2羊飼い劇の一幕として特に有名らしい。それはキリストが生まれる前段の、それを滑稽なパロディ化したエピソードで、貧しい羊飼いから羊泥棒夫婦が羊を盗んで、人間の赤ん坊に偽装するためゆりかごに入れるが、結局バレて盗んだ夫が懲らしめられる。

夫婦が羊を(親から)盗んでゆりかごに入れる辺りは映画と少しだけ似てるかも。もしかしたら日本人には分からない文化的背景がいろいろある映画だったのかな。と思いました。
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