はやし

ずっと独身でいるつもり?のはやしのレビュー・感想・評価

ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)
4.0
2022年1本目。
知らないうちに他人を傷つける言動をしていないか不安になってしまう映画だった。エンドロールをどんよりと迎えた。

家事をしない夫に対する不満とか、そもそもイクメンって言葉はおかしい父親なんだからという非難だとか、もう10年も前から言われてるような構成が未だに新鮮なのも、世の中がいつまでも変わっていないんだろうね。

「結婚してないと人として欠けてるって見られたり。自分が知らない仕事を馬鹿にしてもいいって風潮。こっちが苗字を変えて当たり前?子供ができることも当たり前。久しぶりに会った人にいきなり結婚は?ってプライベート聞かれたり、趣味を語ったら「そういうことやってるから結婚できない」って言われたり。着ている服や住んでる家、メイクへのこだわりを見て「そういうのは結婚を遠ざける」っていうありがたいアドバイス。1人でいるのは可哀想とか。
けど、うるせえよ。そんなこと一番私が考えてます」
長台詞の後のやり切った顔。清々しさ。

松村沙友理が演じた美穂は若さだけを自分の魅力として男の金にしがみつくいわゆるパパ活女子な訳だが、原作にないこのキャラクターを笑ったり馬鹿にしたりする資格が僕らにあるだろうか。美穂にとっての転機のシーン、港区の超高層ビルの夜景と駐車場のゴミ山が同じ画角に収まっていた場面は印象的。

女性であることの生きづらさみたいなものは作中の登場人物同様に自分にも正直わからなくて、おそらく男性であることの生きづらさも女性には分からなくて、その辺りは是非女友達と激論したいところ。結婚しても逃げ道を作るために仕事は続けて欲しいなあ。

それにしても田中みな実のネグリジェ姿は強すぎる。あとコウヘイくん、ひろゆきの自己啓発本を読んでいる者とは思えない発言のオンパレード。え、ご自身の立場分かってます?って言われるよ。
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