エイプリル

マンディブル 2人の男と巨大なハエのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ハエがすげー苦手なんですが、面白そうだったので頑張ってみました。割と可愛く造形されてるんですが初めはそれでもかなり気持ち悪かったです。でも最後の方はなんか可愛く見えてしまった。

主人公たちが極悪人で、行く先々でめちゃくちゃやりたい放題するくせに全然罪悪感を持ってないのでびっくりしました。ハエの訓練で大金持ちになるぞ!っていう見通しも絶対うまく行くわけないだろみたいな感覚がこっちにはあるので、全編通して先の見えない不安感の漂う映画でした。
ですが映画としてのクオリティが低いことは決してなくて、短い時間でどんどんテンポ良く事件が起きるので、ずっと集中して見ていられました。特に人違いによって全然知らん人の家に招かれるところからは相当面白かったです。ただこれ主人公視点じゃなかったら、「バカンス中に急に謎の男二人組が現れて怪しい行動をする」っていうホラースレスレな展開なんですよね。そのアンバランスな感じも良かったです。
ここで出てくるアニエスがめちゃくちゃ良いキャラで、彼女が良いアクセントになってて良かった。主人公二人がアニエスに罪を押し付けて「トロ」するシーン、声出して笑った。
個人的には「ひとりトロ」のところがなんでもないようなシーンなんですが、なんか好きでした。後は今更ミシェルのところに仕事に行くシーン、あまりにも心臓が強過ぎて感心しました。

ドタバタトラブル映画で、実はあんまりハエが登場しないんですが、これハエがトラブルメーカーとしてのツール、「お金・成功の象徴」としての役割を担っている寓話的な作りになっていて、かなり脚本が細かくていいなーと思いました。だからハエが去った後には「やっぱ友情だよね」となるんですが、帰ってきたら再び成功が舞い降りてくるという象徴的展開になるので、エンディングの後どうなるんだろう…って余韻も残って良かったです。
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