カレーをたべるしばいぬ

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のカレーをたべるしばいぬのレビュー・感想・評価

5.0
板橋サティ時代に観に行ったのを忘れない。カリオストロ等と並んで日本アニメ史上に残るであろう名作中の名作。

サスペンス、コメディ、アクション。次々に変わるシーンの特色と、そこで存分に魅力を発揮するキャラクター達。ステージがスピーディーに切り替わるものの、話の繋がりにはそこまで無理を感じない。
クライマックスは、鼻血という児童の流血表現としては限りなくギリギリのラインを攻める。特にこのシーンは、質感が恐ろしい。子供の時に記憶した、鉄製階段の硬さ、コケた時の冷たさ、痛さ。東京タワーでなくても、どこかで味わった感覚がありありと伝わってくる劇画調タッチ。

ギャグに補強された凄まじい強度の正常性によって心を揺さぶるほど先鋭化した怪奇。そして回帰。そのカタルシス。緩急どちらのシーンにおいても、世界観からの脱出を許さない。

信じられない量の笑いと緊迫と感動、そして大人向けと子供向けの表現が驚愕のクオリティで共存する90分弱。

洋画邦画問わず、名作とされる作品はとにかく早く観た方が良い。良質な映画に登用されている演出や展開は、これまでもこれからも擦られ続ける。半端な作品で名作に既視感を生んでしまう前に、早め早めに原典に目を通した方が良い。

マサオ君のブッ飛ばすぜベイべが1番好き。
裏切りおにぎり🍙
いや、この「裏切りおにぎり」で許してもらえるのも、とても良いんだよね。子供だからそれで大丈夫なんだって伝わる。
因みに、かすかべ防衛隊はWikipediaに詳細な記事があり、ちゃんと戦隊モノの要素を汲んでいることが分かる。野原一家といい、組織の掛け声がとりあえず「ファイヤー!」なのもたまらない。