いのしん

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のいのしんのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

懐かしい匂いによる洗脳で大人たちは20世紀博の創立者・ケンに囚われてしまう。幼児退行した大人たちを救い出すべく、しんのすけと仲間たちは追手から逃げながら20世紀博に乗り込む。ひろしの足の臭さでひろしとみさえの記憶を取り戻させたしんのすけは、懐かしい匂いが散布され大人達が現実世界に戻って来られなくなる前に、なんとかケンの計画を阻止しようと奮闘する。この様子を中継で見ていた大人たちは我に返り、懐かしさレベルの数値も最低まで下がり、ケンの計画は頓挫。大人たちは解放され、現実世界へと帰って生きていくこととなった。
感動する、名作、と評される事が多いが、まぁいつも通りのしんちゃんの映画かな、という感じ。良くも悪くもない。現実的にそのアクション無理だろ、という設定はアニメ、とりわけクレヨンしんちゃんだから重々承知なのだが、しんのすけのおならとか、ひろしの足の臭さで記憶を取り戻すところとか、くだらなさが半端ない。大人が懐かしさゆえに20世紀博に囚われて、幼稚園児が現実世界の街に取り残されて、じゃあその間の中学生・高校生はどうなったんだよという疑問も残るが、そこは大目に見よう。
過去を懐かしいと感じられることは大人になったという証拠。だが、その懐かしさに囚われることなく、過去の栄光に溺れることなく、未来に向けてこれからの時代を歩んでいかなければならない、ということなのだろう。「懐かしい」という感情にフォーカスしてそれが原因で物語が進んでいく作品というのは、設定として斬新な気がする。エモさとかモラトリアムとかの虜になりながらも、それを乗り越えて生きていかなければならない。