三隅炎雄

男の勝負 白虎の鉄の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

男の勝負 白虎の鉄(1968年製作の映画)
4.3
鉄道敷設による乗合馬車会社への補償金にやくざが嘴を容れてくるという話。メインは藤純子と二人の侠客、村田英雄・若山富三郎との愛の物語で、男女の愛が絡みあい最後は男と男が抱き合うようにして死んでいくという、まことに任侠映画らしい倒錯した愛と死の激情が、山下耕作ならではの抑制された格調高い演出で綴られていく。腰を据えた演出は一貫して乱れがなく見事と言う他ない。凶暴凶悪な流れ者名和宏、鉄道会社の小狡いインテリ汐路章、気の良い朝鮮人労働者遠藤辰雄等、脇も奥行きのある色付けがあって飽きさせない。これがシリーズ最高作であろう。
三隅炎雄

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