教員時代の石川啄木を描いた映画です。戦前の作品なので音声がとても聞き取りづらく何を言っているのかさっぱり分からなかったのが残念でした。ふるさと篇ということは他の篇があるのかな？と思い少し調べてみました。詳しい理由は分かりませんが巻頭部分の２巻が欠落しているそうです。林の中を歩くシーンなどが水墨画のようで美しかったのが印象に残りました。啄木が学校で他の教師？たちから反発を受けているような描写があるので啄木の新しい教育と古い考えの人々との間に隔たりがあったのが分かります。登場人物も誰が誰だかちょっと謎でした。

石川啄木の生涯を知ればある程度憶測がつくが、故郷で代用教員になり生徒達の人気者だった今日で云う所の熱血先生が、校長等と対立し学校から追放される青春映画として当時評価が高い熊谷久虎監督作品なのだが、音声が余りにも悪く、自負心が強く問題児だった啄木を美化し過ぎたストーリーにも得心がいかなかった。この後、日活の「路傍の石」、主演だった島耕二「風の又三郎」に繋がる先駆性は買える。

熱血教師 石川啄木

初のトーキー映画から5年目で、しっかり音が歌が、映画に組み込まれている。