ぱりぱり

裸足で鳴らしてみせろのぱりぱりのレビュー・感想・評価

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)
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なんというか、久しぶりに自分の経験に響くというか、私にとって個人的な映画を発見した気持ち
見ててすごく恥ずかしいとも思ったし、同時にヒリヒリした。私がずっと思っていること感じたことがあまりにも真っ直ぐに純粋な形で表現されていたからか、すごく恥ずかしく感じてしまったし、心が痛かった

映画やドラマを見ていて、複雑で矛盾だらけの人や人間関係をどんなにうまく描いていても、あまりにも奇跡が重なりすぎだと思ったり、こんなに他人の知らない一面に触れられないでしょと冷めることも多い
でも、この映画は、後から落ち着いて振り返ると、そんな展開になるのかっていう予想の斜め上をいくものが多かったけど、展開が残酷でよかったと思う
大事な問題や大事な人との関係に全くオチをつけないまま、時が残酷に大切なものも大切でないものも一切合切を流してしまう
それでも人間の残酷さを強調しすぎるのではなくて、温かい気持ちとか弱い気持ちをベースに人間を見ようとする視線があるからとてもいい映画だった

上映後に背の高い男性にありがとうございました!と何度も挨拶されて、映画館のスタッフさんにしては熱心だなと思ったら、槙を演じていた諏訪珠理さんだった...!すごくいろいろなことを感じさせられた映画だったから短いことばで思いを伝えられなくて、「面白かったです」っていうほぼ内容ゼロの感想しか伝えられなかった
でも、それに対しても「ありがとうございます」と何度もお辞儀をしてくれた姿に、槙らしい純粋さが見えてすごく嬉しかったし、不器用でも真っ直ぐであり続けることってやっぱり少し恥ずかしいけどなんだかいいな〜と思えた
(そして単純な私は諏訪珠理くんのファンになった笑)

私はビデオや配信で見ることが多いけど、こういうちょっとした偶然や発見があるから、映画館で見るという経験は格別なのかも