とりん

デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNINGのとりんのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

2023年80本目(映画館34本目)

アニメ20周年を記念した「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION」から3年半、今度はデジモンアドベンチャー02の続編が公開。
時間軸としてはそのラスエボとアニメ02最終回を繋ぐ話である。とは言いつつも最初の物語でも最後の物語でもある。
ラスエボでも02メンバーは少しだけ出てきたが、今回はメインで動く。久しぶりに大輔や京、伊織、そしてブイモン、ホークモン、アルマジモンがイキイキとしている姿を見るのは嬉しい。

テレビアニメシリーズの時も無印と比べ02の方が少し踏み込んだストーリーではあったけど、それは映画でも変わらず。
ストーリー的には結構良かった。しかしながら新キャラのルイの過去の話は結構暗い、重いどころかエグさもある。
ちょっとホラー味やサイコスリラーの毛色すら感じた。ウッコモンがルイの幸せを願う、いきすぎた重さはトラウマになる人もいるのでは。

"02"を銘打って02メンバーを主軸に置いてるとはいえ、メインはその新キャラであるルイとウッコモンであり、他はほぼ良いところがない脇役、引き立て役にも感じた。
でもこのストーリーは無印メンバーではなく、02メンバーだからこそ成り立つものでもある。
特に一乗寺賢の暗い過去やワームモンとの関係性が新キャラの2人にも通ずるし、大輔の底抜けのキャラがあるからこそルイを引っ張ることができた。
ルイとウッコモンが絆を取り戻すというストーリーも良いし、選ばれし子どもたちの真相的な部分も後付けではあるだろうけど、納得できる部分もあり、こういう裏ストーリーがあったとはという新たな発見も得ることはできる。

ただ最終的にデジヴァイスとD3が消えるというのはさすがに違うかな。というかそこまでして絆を前面的にゴリ押しするのはズレてる気もする。これ02の最終回に繋がるか、いやでも最終回ではそれらは出てなかった気もするな。インパクトは大きいが、それ故に反発も大きい気がする。
なんにしろ02のテレビアニメシリーズやtri.、ラスエボの設定とも少し乖離やツッコミどころもあったり。まぁでもそこは監督も違うし、仕方ない気もする。
ラスエボで終わってた方がスッキリしたのではというのも否めないし、02の方はそこまで思い入れはないけど、02メンバーをスクリーンでまた観れた、あの名曲たちが大音量で聴けたというのはやはり感慨深いかな。エンディングはデジモンアドベンチャーシリーズで多く楽曲を手がけたAIMが担当してくれて、これがまた良い。彼女の歌があるからこそ締まるところもある。

ただ今作る意味は問いたいなぁ。
ラスエボが成功したから今度は02でという話が出るのはわかるけど、それなら25周年まで待っても良かった気がする。タイミングもイマイチかな、いつもの春だったりしたほうがまだ良かった。
とりん

とりん