虹島流浮

ダンシング・ヒーローの虹島流浮のレビュー・感想・評価

ダンシング・ヒーロー(1992年製作の映画)
5.0
これを観ずしてバズ・ラーマンを知った気になっていたなんて、大変失礼致しました。

ラーマンはその映画の幸せな瞬間を名シーンとして描くことに長けています。その後は悲劇が待っているのですが。

『ロミオ+ジュリエット』では水槽越しに見つめ合うディカプリオとクレア・デインズと音楽「Kissing You」を交えて。

『ムーラン・ルージュ』ではユアン・マクレガーとニコール・キッドマンと音楽「Your Song」と共に。

『華麗なるギャツビー』では戯れるディカプリオとキャリー・マリガンと音楽「Young and Beautiful」を添えて。

そして本作『ダンシング・ヒーロー』はネオン輝くコカコーラの看板を背に踊る2人と音楽「Time After Time」を混ぜて。

しかしこれらの甘ったるいシーンを「いや〜んロマンティック」と感じるか、「照れくさくて見てられな、いや〜ん」と感じるのか、どちらかに分かれることでしょう。

しかしバズ・ラーマンはそんなことは気にしちゃいない。
自分が好きだからそれをやるだけ。
自分がいいと思うからそれをやるだけ。
芸術とは作り手がいちばんの理解者。
その時のその人がそこに表現される。

まさに本作のラストの展開と重なる。
そして私も気付けば映画の中の彼らと同様に手を叩いていました。

いつかバズ・ラーマンに会えたら、『ボヘミアン・ラプソディ』と『グレイテスト・ショーマン』を観て「これ、わてが撮りたかったやつ」と思ったのかどうかを聞きたい。

彼のオリジナルの作品がそろそろ観たいなぁ。

あっ『オーストラリア』観てないことに気がついた。