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Shuga(原題)
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『Shuga(原題)』に投稿された感想・評価

[カザフのアンナ・カレーニナ] 70点

「アンナ・カレーニナ」を現代カザフスタンに翻案した作品。今回も実際に殴られるシーンを見せなかったり(『Killer』『The Road』)、観劇中にアルティナイ→アブライ→シュガの視線移動が成立していたり(『Cardiogram』)、過去作と全く同じシーンを繰り返していて心配になる。反面、原作におけるブロンスキーに相当するアブライと、アンナに相当するシュガに関連するシーンはどれも良い。列車の廊下で二人がすれ違うシーンでアブライがシュガの方を振り返る瞬間とか、二人が逢瀬を重ねるシーンでバックミラー越しに運転席のアブライ→助手席のシュガを映して二人が手を重ね合わせるシーンとか。特に後者はずっと後部座席に座ってきたシュガが主体性を持って助手席に座っているという対比が良い。似たようなシーンは『The Road』でも登場したが。最も印象的なのは(自分がカザフスタンのタルコフスキーと呼ばれているのを意識しているのか)人物がカメラを向くと扉が勝手に閉まるという超自然的なシーンで、ここで息子、夫、アブライの世界から閉め出されたシュガの状態を間接的に描いている。しかし、間接的に描くことに拘りすぎた結果、シュガの死を"蠍座の子供が生まれると親族が死んだという意味だ"とか言わせるなど意味不明な回り道をするシーンもあって散漫な印象を与える。そして、90分の中にアンナ、カレーニン、ブロンスキーの三角関係に加えて、リョーヴィンとキティの物語まで加えるので全体の描写が淡白になっているのは否めない。