表されていなければ想像することさえかなわないクェイ兄弟独自の解釈で再構築されたギルガメッシュ叙事詩。
自由だからなのか不自由だからなのか三輪車と一体化しこの異空間を自在に操る男ギルガメッシュ？。サウロンがウルクを作り出したように忌むべき方法を用いて生み出されたとしか思えない(でも巻き貝のような目が可愛らしい)鳥獣エンキドゥ？。女体のフォルムが美しい食虫花のような机シャムハト？。魂のような綿毛。訪れることのない朝を告げるサイレン… と、疑問符だらけ
私たちが日頃何気なく使っている時間や空間という概念のない世界。そんな世界の一室で永遠とも思える夜を繰り返し(それとも六夜と七日)すごす摩訶不思議な物語。意識世界の中に構築してきたものを奪い去る、この不条理な世界に戸惑いながらも見終わる頃にはもう虜。
