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ホワイトナイツ/白夜のRのネタバレレビュー・内容・結末

ホワイトナイツ/白夜(1985年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画のヘレンミレン、切なさと恐ろしさを同時に存在させててめちゃくちゃ好き。好きなヘレンミレン、見なかったダンスシーンも素晴らしかった、脱出するシーンもめちゃくちゃ緊張させられたし…このタイミングだ観てしまったのがあって恐ろしさが増してしまった。


【メモ】
当時のソ連にとって世界に名の通った自国の芸術家やスポーツ選手は、社会主義大国ソ連の豊かで先進的な文化を国内外に喧伝し、国家の優れたイメージを知らしめるために最も有効な存在だった。表向きは国家の英雄、実際はプロパガンダの道具である。中でも、連邦国家の中心であるロシアは世界に冠たるクラシック・バレエのメッカ。有名ダンサーを多く抱えたキーロフやボリショイなど伝統的バレエ団の世界公演は、ソ連当局にとって重要な外貨獲得手段の一つだったのである。特に’70年代から’80年代にかけては亡命事件が多発した。本作の主演者ミハイル・バリシニコフもその一人。当然、ソ連当局も亡命を警戒しており、20世紀最大のプリマドンナと呼ばれたロシアン・バレエの至宝マイヤ・プリセツカヤなどは、それゆえ殆ど国外公演には同行させてもらえなかった。そもそも、プリセツカヤは実の両親がスターリン時代に政治犯として粛清された過去があり、バレリーナとしての成功と名声がなければ彼女自身もシベリア送りになっていた。外から見れば華やかな栄光も、その実はいばらの道。そういう時代だった。
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