ShinMakita

ホワイトナイツ/白夜のShinMakitaのレビュー・感想・評価

ホワイトナイツ/白夜(1985年製作の映画)
2.8
☆mixi過去レビュー転載計画(ノンジャンル編)
…ここ10年で購入・視聴したDVD.Blu-rayのレビューです。



ロンドンから東京へ向かうオリエント航空のジャンボ機が、電気系統の故障でシベリアに緊急着陸してしまった。着陸のゴタゴタで頭部を打撲してしまった搭乗客ニコライは、シベリア・ノリリスク軍基地内の病院に搬送される。そして気がつくと目の前にKGBのチャイコ大佐が立っていた。着陸寸前にパスポートを破棄していたニコライは必死で自らをフランス人だと偽るが、チャイコには既にバレてしまっていた。彼が亡命ソビエト人であることが・・・

ニコライ・ロドチェンコは、元ソ連の花形バレエダンサーであった。しかし自由のない生活に嫌気がさし、講演旅行中にアメリカに亡命していたのである。そして8年後、世界公演のさなかの移動中に、この事故に巻き込まれてしまったのだった。ソ連の地に降り立ったら最後、彼は犯罪者として拘束される身である。チャイコには、ニコライを再びソ連の劇場に立たせ、のちのち厳しい尋問にかけて手柄を得ようという野心があった。そこでとりあえず、彼をある男に預けることにする。その男とは、タップダンサーのレイモンド・グリーンウッド。ベトナムに従軍し、アメリカという国に幻滅してロシアに亡命した、ハーレム出身の黒人だった。今は通訳のダーリャと結婚し、シベリアの小さな劇場の舞台を踏んでいる。ニコライの世話をし、再びソ連人としてバレエを踊るよう説得出来れば、シベリアを出る事ができる・・・そうチャイコに吹き込まれたのだ。ニコライはレニングラードに行きたいと要求を出し、チャイコはこれを承認。ニコライ、レイモンド、ダーリャの三人は、以前ニコライが住んでいたレニングラードのアパートで暮らす事になる。チャイコの指示で、レイモンドの監視下でダンストレーニングを始めるニコライ。しかし脱出を図り、その罰としてダーリャがKGBに連行されてしまう。ニコライを激しく責めるレイモンド。しかし彼もまた、自分をコマとして利用するソ連に対し怒りを覚え始めていた。数日後、釈放されたダーリャが妊娠を告げたとき、レイモンドは自由のないこの国を出る覚悟を決める。そしてある日、3人はKGBの監視の裏をかいてアパートを抜け出し、アメリカ領事館へ向かう計画を実行に移すのだが・・・



「ホワイトナイツ 白夜」


主題歌選定眼には定評のある(?)職人、ハックフォード監督の映画です。ダンスシーンの面白さ/迫力だけではなく、サスペンスとしての盛り上がり方もなかなかな佳作です。ニコライ同様亡命バレエダンサーであるバリシニコフは余裕の演技、レイモンドを演じたグレゴリー・ハインズの焦り/哀愁演技も良かったです。黒人アクターって、渋さやタフさを前面に出したスターが多いのですが、ハインズはちょっと毛色が違いますね。ドン・チードルのような<虐げられ役>がハマる役者の先駆け。亡くなったのが惜しいですね。

挿入曲の素晴らしさも特筆モノですね。ライオネル・リッチーだけでなく、フィル・コリンズやチャカ・カーン、そしてデビッド・フォスターと、80年代ポップスの真髄といっても過言ではないでしょう。二人のダンスシーンは最高!

ちなみに、後にハックフォード監督の嫁さんがヘレン・ミレンと知り「どこに接点が⁈」と不思議に思ったんだけど、これがまさに接点でしたね^_^
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