ひのらんげ

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~のひのらんげのレビュー・感想・評価

3.0
飛び太の活躍が見どころ。

前作の茶番の末(笑)、東京への自由な移動を勝ち取った埼玉だったが、今度は埼玉県内でいざこざが。そこで埼玉は、埼玉をふたたびひとつにまとめ上げるため、埼玉に海を作る計画が持ち上がる。(笑)
まず、和歌山の白浜から砂浜の砂を調達するために(笑)千葉から船をかりて埼玉開放戦線は出港するが敢なく沈没して和歌山に命からがら流れ着く。そこで待っていたのは、大阪と大阪周辺の格差社会(笑)と、大阪の関東に対する対抗心だった。

虐げられる関西の他府県。埼玉は滋賀県と手を組み、次第にその軍勢を広げ、大阪と琵琶湖のへりでいよいよ対峙する。

関西のエリート大阪からの最終攻撃を迎え撃つ埼玉。難解な暗号解読の末に発動する埼玉の秘密兵器とは?埼玉を横につなげる武蔵野線は開通するのか?”飛び太”の活躍そしてその正体は?そして埼玉に念願の海はできるのか。「日本埼玉化計画」は成るのか。

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総じて
楽しい楽しい映画でした。一瞬で物語がぴょんぴょん進んで新たなエピソードが満載。くだらなくて飽きない。本当かどうかもわからない妄想系ラジオドラマ。

私は
埼玉に海を作るなら、やっぱり茨城からパイプラインで海水を引っ張るか、用水路的な溝を彫るべきだと思います。いや、そうか、茨城に貸しをつくりたくないなら、ちょっと遠いけど新潟あたりから日本海のを引っ張るか。いやいや、そうすると群馬を通らなくちゃならなくて、群馬がそれを許すのか、、、もうちょっと私なりに考えてみたい。

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映画は
観客に迎合しない姿勢は好感が持てます。説明したくなるのをぐっとこらえて、わかりにくい、または内輪(うちわ)ネタだと批判される事を恐れずにただ単に映す。作り手が楽しんで作っているのが伝わればそれで私は満足です。

エピソード詰め放題と書かれた2時間の袋に、詰め込めるだけ詰め込んであって、もう袋のビニールが伸びちゃってパンパンになっているのを自慢気に見せつけられているよう。とても心地よかった。裏方制作陣の顔は見ることはできないけど、鼻の穴広げてドヤ顔をしていてほしい。その価値はあります。

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残念な点は
前作で活躍した千葉開放戦線のリーダーは、どうやら何かの事情でいなくなったらしい。笑。千葉県民としてちょっと残念。

もう一つ。もう翔んで「埼玉」ではなくなっていた気がしたこと。映画の売上は首都圏に偏ることはもちろん火を見るより明らかですが、「翔んで○○」シリーズとして別な自治体に水平展開したほうが良かったように思います。

スケールアップではなくて、スケールアウトすべきだと思うんです。東京や大阪、埼玉千葉神奈川あたりは十分「都会」だと思うので、メインキャストになるべきではなく、今回の作品で言えば「滋賀県」がメインであるべきだと思います。
そういう意味で、この作品の骨組み自体に地方格差の偏見が入り込んでしまっていると思うとちょっと悲しい。

前作「翔んで埼玉」が大ヒットして、フレームワークを作って大成功したのだから、ぜひ、ぜひ、スケールアップではなくて、水平に展開するスケールアウトを期待したい。(滋賀県をメインにしたって、この構成なら売れると思う!)

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あと
武蔵野線のCGはすごかった。お金かけてんなー、手抜いてないなーと思って関心しました。
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