umisodachi

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~のumisodachiのレビュー・感想・評価

3.9


大ヒット映画の第二弾。

ストーリーは……書かなくてもいいよね?要は、和歌山の白浜の砂を埼玉に運んでビーチにしたいなーと思って行ってみたら、そこでは大阪が邪悪な計画を進めていて!?っていうストーリー。ね?どうでもいいでしょ?

最初から最後までバカバカしいのだが、私はこのシリーズが好きだ。1作目でちょっとやり過ぎたと思ったのか、2作目ではディスりレベルはけっこう下がっていたし、「差別NG」というメッセージを強調することによってかなりマイルドな印象にはしていた。だからといってつまらなくなったわけではなく、豪華なキャストが金のかかったギャグを全力でやるという贅沢さはパワーアップ。心から楽しめた。

なお、私が本作で特に好きだったのは、ちょっと異常さを感じる部分だったりする。ネタの異常さというよりも、演出の異常さといえばいいのかな。例えば、大阪パートで謎の祈祷シーンが出てくるのだが、そのシーンがやたら長いのだ。どう考えてもあんなに長くする必要はないと思うのだが、その不自然な長さによってちょっと変な感覚に陥るというか、こちらもラリってしまっているようなフワフワした感じになった。チャリチョコのパロディシーンについても、絶妙に長いし、意味が分からないほど精巧に再現していてちょっと恐怖。伊勢谷友介が出演していないことの処理も、思いつきそうで思いつかない手法で驚いてしまった。随所に少しずつ見られるこの「うっすら異常な感性」が、本作をベタベタなコメディとはちょっと違う次元に引き上げている気がする。

まあ、こんな風に真面目に考察するような映画ではないんですけどね!
umisodachi

umisodachi