メッチ

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~のメッチのレビュー・感想・評価

3.5
近畿地方にまで展開しなくてもいいのでは?と誰もが思ってしまう。"翔んだ"ご当地ネタ茶番劇。

茶番は茶番ではありますが、1作目と同等に2作目も安定した面白さがあるのは確かだと思いました。

前作は、東京と埼玉と千葉を巻き込んだ茶番劇。それから、本作は場所が近畿地方に変わりその地域の茶番が繰り広げられるという。
2度に渡って大きなスクリーンでやるような内容でもありませんが、何故か埼玉県民でもないのに劇場に足を運んでまでみに行ってしまう謎の魅力があるのは確かです。それに、みたあとも損した気分にもならない。

それはなぜなのかというのも、本作の舞台はほとんど近畿地方だけで展開されるため、前半だけでは埼玉県出身のキャラクターでやる必要がないように思ってしまいます。
しかし、1作目同様に現実世界のパートと都市伝説のようなお話のパートで分かれている。現実世界のパートでは、埼玉県内の市町村対抗の綱引き大会が繰り広げられていて、その中でも大宮と浦和が犬猿の仲のよつに描かれている。
一方、都市伝説のようなお話のパートの前半では、東京へアクセスできる鉄道会社たちは横の繋がりを拒絶していて、同じ埼玉県民なのにまとまりがないことを描いている。

このどちらのパートもまとまりがないこの要素が、まさか後半に活かされる作りになっているとは…。と、少し思いましたが、滋賀解放戦線を描きつつ、埼玉のことも描き切る。
そんなところから、脚本も工夫されているようでいて、茶番劇がただの茶番ではないように思えるのでしょう。
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