あんがすざろっく

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

4.3
先日の北野武監督の「首」は、日本の歴史を監督なりに再検証、戦国武将の英傑譚に後ろ蹴りを喰らわせたのに対し、
「翔んで埼玉」は埼玉県を中心に、日本各地を徹底的にディスります。
これを笑える心の広さを持ちましょう。


埼玉県一推し映画、「翔んで埼玉」。
その第二弾です。
知名度は絶対全国区だと信じてます。

サブタイトルは「琵琶湖より愛をこめて」。
埼玉だけでは終わらせない。
関西の皆様、巻き込んでごめんなさい🙇‍♀️。


物語は再び、現実パートと伝説パートが入り乱れ、今回は与野市から熊谷市へ埼玉県綱引き大会に向かう道中の家族(アキラ100%さんと和久井映見さん扮する夫婦と、朝日奈央さん扮する妊娠中の娘)が、FM79.5で聞くラジオ番組が軸になります。


埼玉解放戦線は、「日本埼玉化計画」を推進する為、県内の市の横の繋がり強化を議題にあげ、埼玉県を横断する武蔵野線実現を目指すが、各鉄道会社は協力する意志を見せない。
また、リーダーの麻美麗は「越谷に海を作る」という、およそ冗談としか思えない構想を練っており、その為には和歌山県の白浜から、白い砂を持ち帰る必要があった。

鉄道会社との交渉を壇ノ浦百美に託し、千葉県協力のもと、船で一路和歌山を目指す、麗率いる埼玉解放戦線一行。
しかし途中で船が難破、麗は打ち上げられた白浜の浜辺で、滋賀解放戦線のリーダー、桔梗魁に助けられる。

埼玉県同様、滋賀県も関西において大阪府や京都府に虐げられており、麗と魁はお互いに手を組み、白浜タワーや甲子園地下に幽閉された解放戦線メンバーの救出を誓うのだった。


初っ端から僕の心をくすぐりまくる埼玉ネタが満載。

そうか、埼玉を横断する路線って、あったじゃないか‼️
ただ、一部過ぎて見逃していましたけどね。
縦の路線は多いのにね…。


今回は埼玉県というより、舞台のほとんどが関西となっており、しかも滋賀県が涙なくしては語れないエピソードをもって描かれ、滋賀県の皆さんにも推奨の一作になっています。
ゲジゲジって…😰
とび太はしっかり、その大役を果たしてましたね🥲
ちょっとここで泣きそうに。



キャストはGACKTさん、二階堂ふみさんと続投でしたが、今回二階堂さんの出番は少なめ。
でも禁断症状出るシーンは大好きです。
綺麗な女優さんにあんなことさせるなんて😁

本作では麗と共に立ち上がる麗しき美男子、魁を杏さんが演じています。
ジャンヌ・ダルクみたいでカッコイイ🤩
ちょっと惚れちゃいます。
宝塚の男役の方みたい。
革命前夜の力説に、体が震えました。
「煮るなり焼くなり抱くなり…」🤣

そして彼らの前に立ちはだかる大阪府知事に、片岡愛之助さん。
やっぱり舞台の人は凄い‼️
あれだけケレン味たっぷりのキャラクターを、作品を崩すことなく嬉々として演じられているのは、見ているだけで楽しいです。

その大阪府知事の夫人役は、何と藤原紀香さん‼️
ここで夫婦共演かぁと思ったら、とんでもない仮面夫婦🤣
しかも藤原さんのオチ。
本当に仲良くなくちゃできないよな〜。

最近は実際の夫婦でCMをやる芸能人の方も増えましたね。

甲子園の地下には牢屋があり、ここで強制労働させられるアンダー40(都道府県魅力ランキング40位から下の人達😭)には、勿論埼玉県民も。
粉もん精製工場では同じ姿形をした不思議な従業員が、踊り歌いながら無数に働いており、捕らえられた麗も「粉もん依存症」に陥ってしまいます。
某夢の工場のパロディだったり、白い粉だったり、それってもうギリギリのジョークじゃないですか🤣



今回は大阪府知事の策略が、日本の脅威となります。
日本を救う手立てが、埼玉県にあるのか。

東京に頼めば幾らでもあるでしょう。
いやしかし、ここでそれをやっては、埼玉県の名が折れる。

埼玉県に太刀打ちできるものがあったか?
あるんです‼️
ちゃんと一つだけ‼️
埼玉県人だって、知らない人が多いと思います。
僕にはちゃんと分かってました。

そう、あそこしかないじゃないか‼️
それを出すのか⁉️
出すんだな⁉️

もう、胸が打ち震えましたよ。
このシーンで、僕のスコアは爆上がりしました。
こんなマイナーなネタにも、ちゃんと気を配ってくれている。



そして僕が一番感謝したいのは、佐賀県出身で有名だけど、生まれは埼玉県春日部の芸人、はなわさん。

前作でもエンディングテーマで埼玉県を分かりやすく、愛情を持ってディスってくれていましたが、本作でもエンディングを担当。

「ニュー咲きほこれ埼玉」

あの有名漫才コンビの話芸も挟みながら、エンドロールが流れていくんですが。



地味だとかダサいだとか
何にもないと言われるけど

何を言われても構わない
さほど何とも思わない



何故なら僕たちは居心地がいい事
みんな分かっているから


僕たちはこのままの埼玉が
ずっと大好きだから




あれ?何だ?
何で泣きそうになってるんだ?
溢れんばかりの埼玉愛を唄ってくれるじゃないですか。
多分、僕が思っていたことを、唄ってくれていたからなんです。
今回はディスりよりも、埼玉愛を唄ってくれてましたね🥲

何も埼玉県に限ったことではなくて、皆さんも今自分が住んでいる県や街に、居心地の良さを感じませんか?
全部が全部じゃなくて、色々思うところもあるかも知れませんけど、それぞれの場所にそれぞれ特色があるんだと思います。


単なるコミックソングだと思ってたら、とんでもない。
ガッツリ心を掴まれました。
帰りの電車でずっとリピートしちゃった。



どうしても映画自体の長さは感じたものの、終わりに向けて僕のスコアはどんどんあがっていきました。


埼玉県に住めて良かったと、心底思いましたよ。


僕は関西方面は小さい頃と出張でしか行ったことないんだけど、いつかは滋賀県にも行ってみたいな。



最後に。
埼玉県の水上公園はしらこばとだけじゃないよ。
加須市や川越市にも水上公園があるんだからね🥹
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