めちゃくちゃ良かったシーンは、多田が書いた手紙を岬が声に出して読むところ。自分が紙と向き合い記した言葉と伝えたいことの微妙なずれ、その言葉が相手の身体を通して肉声となって自分の耳に返ってくることで、手紙を書いたときとはまた違ったことを考えたんじゃないかと。
今泉さんなら固定で撮るだろうシーンも、徐々に話者に寄せたり、引いたりしてたのがいつもと違う印象を受けた。特に古本屋で岬が一皮剥ける(感情の芯に近づく？)時に、微妙にカメラが揺れながら、ジリジリと近づいてとこなんて、向き合う多田の心の動きを表してるようで面白いと思った。
