友二朗

愛なのにの友二朗のレビュー・感想・評価

愛なのに(2021年製作の映画)
3.9
「愛を否定するな!」

め〜ちゃくちゃ良かった。
今泉×城定とかもはや鑑賞は義務。

大学で大阪に出てきて、それはそれは楽しいが地元にいたらトーホーシネマズしかない。観れる作品が限られすぎてて恐らく窒息死していただろう。高いお金を出して都会に出してくれたお父さんお母さん、改めて本当にありがとう。

息子は今単位も取らず日々狂ったように映画を観ております。この前この生活を電話で話したら「きもちわる」と言ってツボっていた。そういう母もこの前父を無理矢理引きずって「呪術廻戦0」を観に行ったらしく、おかげで2人揃って徹夜で呪術廻戦のアニメを観ているらしい。

一時期2人を見てて無機質な付き合いやな〜て思う時あったけど、猫2匹飼い始めてから訳分からんくらい仲良くなった。本人達曰く今は互いに"猫に仕える同僚"くらいに思っていて謎の仲間意識が芽生えたらしい。「変やけどなんかそれ好きよ」と言葉を投げたら「失礼だな、純愛だよ」と返ってきて呆れた。まなんだかんだそんな家族が好きです。

中高時代、自分も大人になってきて両親に対してよく"何十年も共同生活を送れるな"と不思議に思い始めていた。特に喧嘩をする訳ではないが目立って好きという感情を目撃したこともない。

例えばの話、いやほんとに例えばの話、今両親になんかヤバい確執ができて離婚とかしちゃったりしてもそこまでダメージがある訳でもないし、理解して尊重できると思う。

やっぱり"夫婦関係"とは他の恋愛関係とは何次元も異質で、かつどこか最も内側の美しさを内包しているのだとこの作品を観て感じた。

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プログラムピクチャー「L/R15」
これはもうたまらん。幸せ。

握りしめた1500円が大好きな監督に吸い込まれていく気持ち良さ。このキモキモ思考を作り上げられたほどに特に今泉監督は全作大好き。もう好き放題して欲しい。永遠に映画作ってて欲しい。

タイトルが素晴らしい。
「愛なのに」ぬ"〜、なるほど。

今作はR15ということでなかなかビターな内容になっており、自信ないけど今泉監督がここまで良いとこなしの純粋なクズキャラを書いたのは初めてなんじゃないかなってくらい中島歩のキャラがキモかった。

中島歩のこの独特な話し方あんまり好きちゃうけどこのキャラクターにはバッチリ合っていた。

最低すぎる言い訳シーンが原因でまさかの展開へ。言いようのない面白さに座席の中でジタバタもがいていた。

全員が全員、なかなかパンチのある恋愛論を語るが最後には何故か全部納得できてしまう。リアルで出くわすことはないが、どこか世界の片隅で実際起きていそうな恋物語に目が離せない。

極めてリアル、等身大の言葉達が自分の心のデリケートな部分に全力疾走してくる。ぐちゃぐちゃに掻き乱されてもなお、映画に対してニヤけが止まらない自分の変態性、誰もが秘めている変態性というものに愛着が湧き、あーやっぱり変態って素晴らしい!と声高らかに笑いたくなる。

身体を重ねるシーンが想像以上に多かったがおもんないベッドシーンがなくて凄く良かった。亮介とウエディングプランナーの最後の会話にはまじで笑う。

「気持ち悪いんですけど」
警察が絡むのもまた今泉監督らしくない新しさを感じたが、この一般常識理論に片足を入れ、しかし暴れて帰ってきてくれるという『今泉さんったら!もう!』という狂信的な喜びが爆発した。

ラストに残るカタチについて、ハッピーではあるがやはりモヤッと残るものもある。だがしかしこれが正解で"確かに存在する愛に関して第三者が理由付けする愚かさ"を、観ている自分すら含めてある意味風刺していた。それでいて盲目熱血で愛を叫ぶのではなく、「見て見て、こいつらおもろくね?」と隣から語りかけてきて「いやアンタもこっち側かい!」とツッコミを入れたくなるような、いたずらな遊び心にまた心掴まれる。

バスの中、鼻歌のシーン良かった。
猫ちゃん可愛い〜。

もうよく分からんくなってきたけどとにかく好き!逆に頭からっぽ。

「猫は逃げた」楽しみ〜!

なんじゃこのレビュー。
わっけ分からん言葉しか使ってない。
これ読み解ける人いたら結婚しましょう。

読んでくれてありがとう。

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イオンシネマシアタス心斎橋。

なんか壊れてんちゃう?って思うくらい音量デカかった。いつもは丁度良いけど。

デッカいなーて思てたらパイプオルガンのシーンもはや場内揺れてておもろかった。

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「名前を覚えてほしくて
 盗んでしまいました 本」
はいもう面白い〜。

「また求婚します」

「この世界にあなたより魅力的な人がいない」

「多田さんにとっての私は沢山いるかもしれないけど、私にとっての多田さんは多田さんただ1人です。結婚してください」

"本気にならないって約束"

「バレても大丈夫なら浮気なんてしないか。
 背徳感のためだけに皆してるんだもんね」
うーむなるほど。

「気まずいのになんで来るの?」
「嫌ですか?」
「いや嫌って訳じゃないけど」
「その嫌じゃないってゆうのが分かるんで」
カッコいい。

「造花でもバレないんじゃ」
「花はダメ。花はちゃんとしたほうがいい。
 あれね、安っぽくなるから」
この台詞何故かグッときた。

「結婚ってなんなのかね」
「結婚ってゆうのは相手の家族と自分の家族のためにするものなんです。あと生まれてくる子供たちのために」

「秒でフラれました。
 2回告白したけど足しても秒で」
笑笑

「イチャイチャすんじゃねーよ!
 俺が責任持って綺麗にするよ!」
このシーン、こいつうるせーなと思ったけど確かに高校の時好きやったあの人が30の男に恋してたらキレるわ。

「準備で仲が悪くなると本末転倒なので」
自分結婚する時ちゃんと2人で決めよう。

「もうあなたとじゃなくて熊本さんと結婚したいよ。よっぽど頼りになるよ」

「ちゃんと言葉をくれないですか?」

「最悪だ、、」
ここまじで最悪で最高。

「あれだ、大丈夫なよう二重にしとこう」
「ゴムの上から触ったことないから変な感じ」
「あ、なんかごめん」
「ううん、私も」
なんやねんこの会話笑
シーンとの不協和音が面白すぎる。

「神は言います。報復は私が与えるから自分でしてはならない。悪に悪で対抗してはならない」

「御心って神様の意思だよ?」
「え?自分の心じゃないの?」
「キリストでしょ?
 汝 姦淫するなかれだし、
 たぶんこーゆーの1番だめなやつ」
「うわ 間違えた〜。
 まあもういいや。
 そういえば私、神様信じてないし」
すごいな笑

「私いつも上になりますよね?」
「あ、うん、それが好きなんだなって」
「いや別に、むしろ苦手です。
 え、下手ですよね?」
「え?」
「いや、セックス下手ですよね?」
「え?」
ここほんまに面白かった。

「下手なのおれ?」
「下手というか、あーなんだろ。
 まあ下手ですね。群を抜いて」
「群を抜いて?」

「一花の相手はそいつでも、俺でもないよ」

「きっといつか貴方のことを
 好きになれる気がするのです」

「ありがとう 絶対結婚しようね」
すっごい言葉。

「気持ち悪いんですけど、ほんとに」

「否定しないで下さい
 親だかなんだか知らないけど
 彼女の好きって気持ち否定しないで下さい」

「プライバシーでしょ、それは」
うんまじでそう思う。

「お父さんはできないよ」
逆上がりのこのちょっとしたシーンいいね。

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撮影協力にあった「古着屋 深緑」
調べたらめっちゃ良い。行きたい。
友二朗

友二朗