真っ当にセックス・コメディしてて面白い。中島歩の体現する「しょうもなさ」の精度よ。
今泉脚本における恋する人々＝日常に偏在する狂人というスタンスを本人以外の演出で観るのも新鮮で面白かった。的確な城定演出によるウェルメイドな人間喜劇にパッケージされてて延々観てられる。今泉映画だともっと素っぽい役者に演らせそうだけど、城定映画の体温の高さみたいなものがミックスされてて配役も良い感じ。中島歩が特に最高。人の目まっすぐ見て100%の嘘付く男演らせたら彼より上手い人いないかもしれない。「えぇ〜」とか細かいとこ含め、上辺だけの心配とか相槌の完成度が高過ぎ。さとうほなみの役者業初めて触れたけど普通に上手い人だった。怒り方が上手いので中島歩とのアンサンブルが良い。向里祐香は初めて知ったけど眼鏡美人として堂々たる城定ヒロインの一人やってる。品があってエロい感じは流石。あと濡れ場の裸より事後の中途半端な格好してる時のエロさを大事にしてるのが良い。桂正和的パンティのエロスを追求している。真の眼鏡ヒロインは瀬戸康史なんだなと。彼の受動性と狼狽えがかわいい。大人びて凛とした河合優実の女子高生と並んで嫌な感じがしないバランスも良い。ここが上手く行かないとあんな綺麗に終われないだろうし。
