PANDADA

信虎のPANDADAのレビュー・感想・評価

信虎(2021年製作の映画)
3.0
甲斐武田家の遺臣の孫である柳澤保明の尽力により、武田信玄の二男の末裔である武田虎之助は武田家の再興を許されることとなった。
その保明が息子伊織に語る武田信玄の実父、信虎の物語。

いやぁ、とっても良いんですけどねぇ。
重厚で、考証もしっかりしてて、信玄亡き後の武田重臣達もしっかりキャラが立ってて。
寺田農演じる信虎もものすごく良いんですよね。自分を追い出した信玄を認めたり、老体に鞭打って武田を預かろうとしたり、勝頼率いる武田家の存続を心配してあらゆる手を打ったり。
天目山での勝頼の最期のシーンもリアリティ溢れるし、良かったんですよ、そこまでは。

そっから先がなんかちょこっと尻すぼみというか、演出不足というか。

あの信虎の二十三回忌のシーンって、どうなんですかね?
あと、ちょこちょこといろんなオマージュっぽいのが入るんですが、それも要らないかなぁ。
結構硬派な感じの造りだからこそ、あんまりユーモアは要らないと思うんですけどね。
全体的にはすごく良かったんです。
聞き慣れない、聞き取りづらい人名や単語が出てるたびにきちんと出てくる字幕。
あれ、良いですね。冗長ではないし、わかりづらくもなくて、きっちり過不足なくって感じで、ものすごい親切設計。
今後の時代劇にもぜひ見習って欲しいです。

だからこそ少し惜しい感じがして。
でも、全体的にはものすごく楽しめました。
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