レオン

スワンソングのレオンのレビュー・感想・評価

スワンソング(2021年製作の映画)
3.8
ウド・キア というと、"ナチス総統" や "カルト集団の頭" など、悪のリーダー的な 脇役 が多く、主演作は私は初めて見た。 
が、なんともいい味を出している。 序盤は頑固な要介護老人から、徐々にゲイとしての魅力も加味して、出会う人々を次々魅了してしまう様は、「世界最速のインディアン」のアンソニー・ホプキンスを彷彿とさせる。
上記は伝記ヒューマンロードムービー 的な作品で、出色な出来なので、未視聴の方は是非オススメです。

序盤で美容院に入り、「何、この人?」と最初は思われるも、立ち振る舞いやウイットに富んだ会話で、帰る頃には、「あなたには負けたわ~♪」と言わしめるような状況に持っていく描写が、相手の黒人美容師や客の抜群演技も相まって、何気ないシーンだが見所のひとつ。
トラックで送ってくれた女性との別れ際なども、演技とはおもえぬ描写で見入る。

そして寄り道をするも、本業のヘアドレッサーとしての、
「SWANSONG」を成し遂げる。 スワンソング=最後の名演や作品。 という意味は知っていたが、同名の作品が他にもあったよな・と調べていたら、"死ぬ間際の白鳥は、最も美しい声で歌うという伝説から生まれた言葉" を知り、より感慨深さを憶えた。

主人公があまりにも自由奔放な行動をするので、ちょっと感情移入するには・・・な所もあるが、ケセラセラ的な人物だったのだろうと思う。(実在した人物)

この作品を見てから、以前のウド・キア出演作を見ると、出演時間が僅かでも、かなりの印象に残ること間違いなし。
十分、佳作以上に感じる作品です。
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