とうがらし

Dara of Jasenovac(英題)のとうがらしのレビュー・感想・評価

Dara of Jasenovac(英題)(2020年製作の映画)
3.6
2021年アカデミー賞 国際長編映画賞部門セルビア代表作

クロアチアのファシズム政党ウスタシャは、ナチスと同盟。
セルビア人を捕まえ、大量虐殺を繰り返していた。

少女のダラ10歳は、母と2人の兄弟とともにヤセノヴァツ強制収容所へ。
父は、死体処理係として、家族から引き離される。
さらに、兄が…母はそれを拒み、2人とも殺される。
ダラは、2歳の弟とともに、女性・子供専用のスタラ・グラディシュカ強制収容所へ。

父は、家族が遺体となって来ることのないよう祈り、
ダラは、衰弱していく弟を必死に守ろうとする…。


収容所と言えば、アウシュヴィッツが有名だが、他の収容所について触れた映画は少ないので、衝撃だった。
クロアチア人が、セルビア人を虫けら以下の扱いで何度も躊躇なく殺す。
あまりの呆気なさ。
しかも、晩餐に椅子取りゲームをさせて、殺される人々に興奮を覚えてカーセックスする女上官までも現れる。
ここまで人間らしさを放棄できてしまうのかと恐ろしくなった。

映画全体の雰囲気は素晴らしい。
殺戮シーンが、物語の享受にあまり貢献できず、見世物止まりになっているのでは?
メインの人物に対しては、少々甘い脚本なのでは?
と感じる部分があって、この評価。
ノミネートから漏れたのも、そこが影響しているかも。
でも、近々日本で公開されても遜色のない出来だと思う。

予告編(英語字幕)
https://www.youtube.com/watch?v=7RDs2Vuw_AQ
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