七沖

映画 真・三國無双の七沖のレビュー・感想・評価

映画 真・三國無双(2021年製作の映画)
3.8
〝まさしくガチの一騎当千‼︎〟
もうこれしか考えられないキャッチコピー。
あのミリオンセラーのゲームがガチで映画化された。

漢王朝末期。皇帝が軽んじられる世の中で、世を正すべく劉備や曹操などの英傑が立ち上がる。だが、皇帝を手中に収めて圧政を極める董卓には、最強の武将・呂布がいて…というストーリー。
これ、書いていて気付いたが、真三国無双のあらすじではなくて三国志のあらすじだ💦

なんとも評価の難しい作品だ。
一本の映画として観たらまとまりがなく思えるが、真三国無双の映画化だと思って観ると成功しているように思える。

自分は学生時代に初期の無双シリーズに触れて、一瞬で虜になった。
子供の頃から、いつかこんなゲームがあったらなぁと思っていた内容だったので、このゲームのリリースは本当に嬉しかった。あまりに嬉しかったので就活時にコーエーの面接に行き、「好きなゲームは何ですか?」と問われて「真三国無双です!」と即答したら、「気を遣わなくていいですよ」と言われた。面接は落ちた。

そんな愛すべきゲームの実写化とあれば、観ないわけにはいかない。
たとえどんなにつまらなくても、好きな作品は追いかけるのが信条だ。
だが、本作はそんな杞憂を吹き飛ばしてくれた。これはまさに、無双シリーズの実写化だ。
武器は雷や炎などのエフェクトを纏い、雑魚兵は吹き飛ぶ。
何より嬉しかったのはBGMだ。これぞ無双!と思えるロックが流れるのはめちゃくちゃ嬉しい。無双を代表する呂布のテーマも流れる、これはファンなら感涙ものだ。
正直、呂布はゲーム本編よりカッコいいかもしれない。呂布に追われる曹操のシーンは絶望的過ぎてマジで怖かった。こんなの途中で逃げることを諦める。

無双武将が無双たる所以を、武器に絡めて理由づけしているのも面白い。

そして、本作の油断ならない点として、三国志の細かいエピソードも拾っていることが挙げられる。
王允と董卓の確執、董卓暗殺に失敗した曹操が叔父と出会って色々誤解して取り返しがつかなくなる話、曹操と劉備の英雄談義なども収録されていることには正直驚いた。

ラストの虎牢関での劉備三兄弟と呂布の戦いは凄まじい。重力を無視して空間を生かして暴れ回る無双武将たちにただただ圧倒される。
これぞ無双‼︎
関羽が上半身裸になった瞬間、思わず「無双2!」と座席から身を乗り出した。

当初は実写化にヒヤヒヤしたが、いざ出来上がったものを観るとまさに無双と言える内容だった。
宣伝不足と上映館不足が本当にもったいない。
あとは続編を何本か作って五丈原までやって欲しい。次回作があるとしたら、呂布討伐くらいまで描くのだろうか。ぜひ実現して欲しい!できればもっと大画面で観たい作品だった。
七沖

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