真田ピロシキ

映画 真・三國無双の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

映画 真・三國無双(2021年製作の映画)
2.7
これが見たくてずっと前にフリプで入手した三國無双のどれかをやったのですが、イージーですら呂布に勝てなくて諦めました。なので全然詳しくはないのですが、少し触っただけでも分かる無双演出の再現。矛を振れば周囲の雑兵が吹き飛び、地面を叩きつけただけで起こる衝撃波、張角の召喚魔法で黄巾党はゾンビ化だ!しばらくの間は楽しい。

しかし黄巾の乱を12分で鎮めて董卓の専横が極まってからは三国志を知らない人のためのダイジェストドラマのように劉備が賄賂をせびる朝廷の遣いを叩きのめして逃亡したり、董卓暗殺に失敗して陳宮と共に逃げる曹操が勘違いして一家を皆殺しにしたりといった有名エピソードを脚色もせずに垂れ流されていて、しかもこれが英傑を呼び寄せる謎空間の女の人が懇切丁寧に言葉で説明しててダサい。この人以外もナレーション過多で、反董卓連合軍の諸将を解説してくれる関羽の野暮さよ。まるで大河ドラマの総集編を見てるようだ。それより酷いかも。

後半の虎牢関の戦いに差し掛かるとテンポは多少良くなるが、肝心の劉備兄弟vs呂布はあらゆる動きに過剰なCGエフェクトをかけられていて、こういうのは決める時につけるもんでこんなに濫用したら非常にダサい。ゲームでもこんなに必殺技連発はしてなかったと思うんだけど。しかも謎空間で英傑達が貰った武器は血を吸うとパワーアップするという呪いの武器みたいな設定があるのだが、呂布に劣勢の関羽さんは自分の血を吸わせるという手段を思いつく。それでも良いというインチキ仕様(笑)この映画はFF2の映画だった?サイヤ人説もある。ともあれゲームで立ちはだかった呂布が全然ガチ味を感じさせてくれなかったのは残念の極み。なーんかかめはめ波みたいなの撃つしよーそれと無双シリーズと言えば女性キャラも目立つ印象があるが、本作には闘う女はおらず貂蝉もか弱そうで、呂布に自害を止められたのが本気だったのか離間の計の一つだったのかも分からなくて、無双としても三国志としてもハッキリしない話になってしまった。

そういうわけでこんなスコアですが、全く見れないほど酷くないこの微妙さこそがゲーム映画好事家にはむしろ好ましい。謎空間でのチュートリアルみたいな描写も笑えるんで嫌いじゃない。続きがあったら見ます。劉備はいけ好かないので魏メインでお願いします。関羽が袁紹に家柄は関係ないとか言ってたけど、お前の兄者こそ何かと漢王室の末裔って吹かしてんじゃないかよー