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笑いのカイブツのcanaのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
3.9
公開になったので以前の試写のレビューをば!


何かに特化して才能がある人は画して何かが欠けてしまうものなのだろうか…

お笑いがこんなにも好きなのに、生きにくいことからの辛さがジリジリと伝わってきて、終始見ているこっちまで苦しかった…。

だからこそ、
注文を汲み取ってくれるバイトの子、
酔い潰れてるところに2千円を恵んでくれた怖い人、
おもしろがって雇ってくれる反社と繋がってる兄ちゃん、
そして才能を見込んで目をかけてくれる人気芸人など、
彼にほんの少しのやさしさを差し伸べてくれる人たちの存在が自分のことのようにとても救いに感じた。

居酒屋でピンクが隣に座って語りかけるシーンの「皮肉やなぁ…」からの「地獄で生きろや」の流れで、私もボロボロ泣いてしまった。
でも最後に「承知」で少しクスッと笑えて名場面だなぁと思いました!

岡山天音は『日曜の夜ぐらいは…』『こっち向いてよ向井くん』と最近立て続けに出演ドラマを観ていますが、毎回全然違うので演技の振り幅がすごすぎる。
そして菅田将暉と太賀の使い方最高かよ…
太賀は『コントが始まる』の売れない芸人役との演じ分けがすごい。
でも今作ではとにかく菅田将暉のピンクがハマりすぎて神がかっていました。。
(3人の主演・助演男優賞ノミネートされてもよさそう)

原作未読でベーコンズ西寺はオードリー若林がモデルと知らなかったので、鑑賞後に2人の関係性を調べまくってしまった。
『だが、情熱はある』で不器用な若林の姿を観たばかりなのでますます胸熱!
とても苦しいけど笑いに対して硬派でまっすぐな作品だと思いました。

ツチヤタカユキさんはおそらくADHDの一種なのだろうか…
トットちゃんを観たときも思ったけど個性的な才能がある人ほどこの世の中は生きづらいのかもしれない。
でもそんなすごく生きづらくて苦しいこの世界で生きていてくれて良かった。。
良い作品に出会わせてくれてありがとうございます。
cana

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