サプライズ

笑いのカイブツのサプライズのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
4.3
お前、ぜってぇここで終わんねぇからな!!

今年やばいんじゃない?始まって早々、こんな傑作見れるなんて思ってもみなかった。岡山天音の怪演はまさに、"笑いのカイブツ"そのものであり、キャリア史上最高と評される時に使われる文言、演技を超えた役の憑依であった。そんな岡山天音の脇を固める実力派俳優陣、新鋭・滝本憲吾と天才脚本家・足立伸のタッグ、そしてM-1王者・令和ロマンにおける漫才監修など、完璧と言っていいほど抜かりない作り込みだった。

笑いを求め、笑いに取り憑かれた男・ツチヤタカユキ。つまらん情報番組の誘いやら、上司の顔色と金儲けだけを考えるスタッフに呑まれず、オモロいだけが正義だと信じ、生きてきた。ただ、笑わせたいだけなのに。随所に挟まれる大喜利だけで彼の才能は見えてくる。周りに合わせることは自分を殺すこと。でも、周りに合わさないと自分は殺される。生きずらい世の中で苦しみ、もがき、嗚咽し、人間関係不得意が為に壮絶な人生を送ってしまったその姿は、どうも他人事に思えず、胸がぐちゃぐちゃになった。

2024-5
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