リトルトゥースならお馴染み、伝説のハガキ職人ことツチヤタカユキの半生を描いた自伝的映画。
自分もどちらかといえば人見知り側の人間なので、当時はオードリーのオールナイトニッポンでちょくちょく話題に出るツチヤタカユキという男と自分自身を無意識的に重ねていたように思う。
当時、若林(西寺)さんの目線から聞いたツチヤタカユキの話は「人間関係不得意」という言葉に集約されているように、コミュニケーション能力皆無で不器用だけど、一途にお笑いが好きな青年というイメージだった。
ただ、今日この映画を見て、そのイメージは良くも悪くも結構変わってしまった。具体的に言えば想像よりも繊細で、想像よりも尖っていた。芸人のフィルターを通さない剥き出しのツチヤタカユキという人間は、間違いなく笑いに取り憑かれたカイブツだった。
映画を見終わって真っ先に思い出したのは、いつかのオールナイトニッポンで、大阪に帰ったツチヤタカユキの話をしていた若林さんの声が一瞬だけ、ラジオ越しで泣きそうになっていたように聞こえたこと。
映画の中の出来事がどこまで本当なのか自分には分からないけれど、ツチヤタカユキの目線から見れば、実際に似たようなことはあったんでしょうね。
最終的にはなんか結構複雑な心境になってしまったけど、狂気的な熱意と途方もない生きづらさに胸が詰まる良い映画でした。
==追記==
見終わってしばらくして色々考えたらまた書きたいことが出てきました。完全にネタバレになるからコメントで。