コーディー

笑いのカイブツのコーディーのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
3.8
笑いの為に他の全てを犠牲に、と言うよりツチヤの場合それ以外に自分を表現する術が何も無かった。
〝面白い〟を生み出せるだけの壊滅的コミュ障男の踠き、最強ハガキ職人の発狂と敗北と笑えない生き様…
まあ改善なき利己に共感は難しかったけど痛みを伴うケタ違いの本気には圧倒された!

〝俺はお前らよりオモロイんや〜〟の一点で尖り、ケータイ大喜利の称号ひとつで笑いの神にでもなったような振舞い。そして自尊心をへし折られそうになれば周りを遠ざけ聴く耳を持たない…そんな大喜利やネタでしか疎通できない男の苦悩、ひたすら無様に溺れ続ける姿をボロボロで演じた岡山天音が凄かった!

劇中ではベーコンズ西寺やったけどオードリー若林との関係も興味深かったし、彼の温かな人柄や距離感を表現する仲野太賀の演技もやはり良い!そして、どきどきキャンプ•サトミツの再現度も見事w
そして脇で輝く菅田将暉!こういうそこらへんに居そうなヤンチャな兄ちゃん演じた時の彼は絶品ですね!

と、いろんな意味でキツイ物語やったけど、そんな細やかな共鳴にやんわり救われたしイライラもヒリヒリもしたけどこういうダメな人間のドラマは好きなので割と楽しめた。
ただやっぱり映画やドラマで描かれるお笑い、特に漫才に関してはどんなに達者な俳優さんが再現しても面白くないんよな〜と、個人的に。