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笑いのカイブツのせっのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
4.1

5秒に1回ボケてネタ帳に書きなぐる日々を送るお笑い狂いの男が、大喜利番組やラジオに投稿しまくったことで何とかお笑いの作家の道に進むが、人間関係が苦手すぎて苦悩の日々を送る話。

笑いが好きとかを通り過ぎて最初っから完成された笑いのカイブツなので、とにかくずっと辛そう。孤独にネタ書きなぐっている時ですら自分を追い込みまくって辛そうなのに、笑いの世界に入ってそれが軽くなる訳もなく。元からの人間関係を築くのが苦手な性格に加え、好きだからこそ手を抜きたくないし、とことん突き詰めたい性格でどんどん追い詰められていく。

かなり不条理な環境でネタを書かされていたのは絶対怒って良いし交渉するべきなんだが、ツチヤが怒っているのは自分が上手いように利用されていることじゃなく、笑いにちゃんと向き合ってないことへの怒り。ツチヤみたいに真面目に取り組むのが正しいけど残念ながら仕事って上手く手を抜くことが大事だったりするからなぁ。

そんな不条理な世の中に適合出来なくて苦しんでいるツチヤに向かって、否が応でも世の中からつまみ出されざるを得ないヤクザのピンクがお前はそこで苦しめと言うシーンが好きだった。というか、普通に若林から俺が必要としてるよと言われるだけで無上の幸せなはずなのにね。

ツチヤが作家として入ることになる芸人ベーコンズはオードリーらしいのだけど、本名出せないのはなんか納得した。あくまでツチヤ目線とはいえ、オールナイトニッポンのスタッフの印象めっちゃ悪くなったからな(笑)
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