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笑いのカイブツのKHのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
3.0
笑いに取り憑かれた男の話。
主人公の「正しい世界」で生きたかったという嘆きがあまりに痛々しい。
この世界を生きるには、あまりにピュア過ぎたんだと思う。
勿論これは圧倒的少数の話だけど、1つの要素として同じような感覚を皆持ち合わせているからこそ共感できる。
特に「笑い」というものの性質上、1人だけでは完結せず必ず相手がいないと発生しない。だからこそ相手(世間)に依存しながらも、それを否定し続ける。主人公はどうすれば良かったのか、これからどうなるのか。
それでも確かなのは主人公は生きてく限り、書き続けなければいけないということ。
ただこの映画の一つ気になる所は、その狂気に比例した才能という、最もの説得力を持つ部分の表現が欠けていること。
でも誰かにとって主人公の世界は「正しい世界」で、そこの地位に必死に食らいついている人もいる。
でもやっぱり、あまりにピュアすぎた。
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